パソコンのCPUは型番や種類によって性能が異なります。あなたがパソコン選びを難しく感じる点に、どのCPUのどの型番があなたの用途に合っているかがあると思います。
この問題、あなたの予算と用途次第で選ぶべきCPUが違うものの、ざっくりと下記のように分類しました。
- 音楽制作や動画作成、3Dゲーム向き(本格的に使いたい人向け):Core i9、i7、i5
- 持ち運びやネットサーフィン向き(ライトに使いたい人向け):Core i3かPentium、Celeron
- とにかく安く:Atom
もし、あなたがパソコンに高いパフォーマンスを求めるなら、Core i3以上(Core i7、i5、i3シリーズのいずれか)を選択してください。
一方、ノートパソコンのように持ち歩くこと前提ならば、Core i3かPentiumなどが良いと思います。
Atomシリーズを選ぶ場合には注意が必要です。このシリーズはパソコンのバッテリー持ちは良くなりますが、パフォーマンス不足を感じる機会も多くなります。
ちなみに筆者は、
- デスクトップならCore i7以上(プログラム開発とかやるので)
- ノートパソコンならCore i5以上(こっちはネット閲覧が主体)
で選ぶことが多いです。
CPUとは何か
CPUとはCentral Processing Unit(中央演算装置)の略称です。簡単な算数から、Windows OSのような膨大なプログラムまでを動かすために利用されます。
CPUはしばしば人間の脳みそ本体に例えられます。物事を考えて答えを出すのがCPUの役割です。
CPUは何種類かのモデルがあり、おおよそ価格と性能が比例関係にあります。よりすぐれたモデルはより高価です。
CPUの製造メーカー「IntelとAMD」
現在流通するWindows用パソコンのCPU製造メーカーに、
- Intel(インテル)
- AMD(エーエムディー)
の2社が存在します。
2017年現在で高いシェアを持つのはIntelです。そのため、様々なソフトウェアの動作環境はIntelのCPUを基準にすることが多いです。
つまり、こだわりも何も無く、とりあえずパソコンを買いたい初心者にとってはIntelのCPUが搭載されたパソコンを選ぶのが良い、ということです。
以下、IntelのCPUに基づき、その特徴などを紹介していきます。
Core・Pentium・Celeronの比較
IntelのCPUのブランド名であるCore(コア)・Pentium(ペンティアム)・Celeron(セレロン)の違いは性能の違いを示します。
CoreシリーズはさらにCore i9、i7、i5、i3に分けられるほか、Core M(コアエム)やAtom(アトム)と呼ばれるCPUもあります。
また、CoreやPentiumといった各シリーズは型番で細分類できます。例えば、PentiumシリーズにはPentium G4520やPentium G4500Tといった型番が存在します。
この型番は数字が大きいものほど性能も優れる傾向にあります。例えば、Core i7-7700とCore i7-4790では、前者がより最近発売されたもので、処理速度や消費電力(TDP)が改善されています。
と、ちょっと多すぎてよくわからないですよね。
そこで、かなり乱暴に比較すると、
という順番になります。例外もありますが、リストの上位(Core i9)ほど高価だが高性能、下位(Atom)ほど性能が低いが安価です。
なぜこんなに分類されているのか
価格帯と想定される用途が異なるからです。
Core i9、i7、i5、i3シリーズは、動画編集など高度な利用を行いたいユーザー向けのCPUです。特にCore i9、i7とi5シリーズはその傾向が強く、高いクロック周波数(後述)とコア数(後述)が特徴的です。
PentiumとCeleronはCoreシリーズよりも機能を減らすことで、より安く購入しやすいモデルです。専門的な利用に向かない場合もある一方で、パソコンのライトユーザー向けには十分な能力を確保しています。
Core MやAtomは、近年爆発的に普及してきたタブレットなどポータブル端末への利用が前提になっています。性能を抑えることで、消費電力を低減し、長時間のバッテリー利用を可能にしています。
つまり、動画編集や音楽制作など高い負荷が求められる用途にはCore i7やi5シリーズを、長時間の持ち運びを前提にするならばCore MやAtomが載った端末を選ぶべきです。この選択を間違えてしまい、価格だけでパソコンを選んでしまうと、「パソコンが遅い」といったストレスに繋がります。
なお、ノートパソコン向けのCPUは全体的に低消費電力化が進んでいるため、同じシリーズ名であってもデスクトップ向けCPUに比べてパフォーマンスは低めです。高度なことをやるならデスクトップパソコンが有利です。
GHz(クロック周波数)って何?
日常的な性能は「クロック周波数(定格クロック)」を見る
GHz(ギガヘルツ)で示されるクロック周波数(定格クロック)は、パソコンの1秒間あたりの処理速度を示します。基本的にはクロック周波数が高いほど、CPUの性能は高く、パソコンの動作は快適になります。
ただし、1秒間に出来る計算量はCPUのブランド次第です。仮に同じ2.0GHzだとしても、CoreシリーズとAtomシリーズでは前者の処理速度が優れます。
廉価CPUに多いバースト周波数とは
一部のCPUには定格周波数(定格クロック)のほかに、「バースト周波数」が併記される場合があります。
バースト周波数とは、CPUが動作可能な最大周波数のことです。CPUに負荷がかかったとき、可能な範囲内で一時的に周波数を上げ、CPUの処理性能を高めた状態で発揮されます。
プログラムが自動的に判断しますので、あなたが意図的にバースト周波数の状態を選ぶことはできません。
バースト周波数は一時的に発揮される性能ですから、CPUを選ぶときにはあまり参考にしません。
コア数って何?
コア数が多いほど同時にできる計算量が増えるため、パソコンの動作は快適になります。2017年現在のCPUはコア数が2ないし4コアタイプが主流です。
で、結局どのCPUを選べばいいの?
ここでは簡単に「これ!」とお勧めするのが難しいです。あなたの予算と用途、またデスクトップかノートかによって、選び方が異なるためです。
パソコンにパフォーマンスを求めるなら、少なくともCore i3以上(Core i9、i7、i5、i3シリーズのいずれか)を選択するのがオススメです。特に据え置き型のデスクトップパソコンでPentiumやCeleronを選択するのは無意味です。
ノートパソコンのように持ち歩くことを前提にするならば、Core i3かPentiumなどが良いと思います。性能との両立を目指すなら、Core i5も許容範囲です。
CeleronやAtomシリーズを選ぶ場合には注意が必要です。バッテリー持ちは良くなりますが、パフォーマンス不足を感じる機会も多くなります。初めての一台に選ぶと、動作の緩慢さゆえにパソコンにがっかりしてしまうかもしれません。
例題を挙げると
例題を挙げると、Celeronを搭載する以下のモデルは、少しパワー不足かもしれないけれども安価で買いやすいもの。
一方、Core i5を搭載する以下のモデルは、少々値段が良いのもののパフォーマンスに優れるものです。
あとはあなたの予算との相談です。
お得なのはどれ?
CPUはほぼ完全に価格と性能が比例していますので、安いものほどできることも限られますし、いろいろやりたいならば、高額なものを選ぶことになります。
ただし、同じCPUが搭載されているパソコンで比較した場合、外資メーカー(DellやASUSなど)は国内メーカー(富士通やPanasonicなど)に比べて安く購入できます。
ゆえに、お得さで言えば、外資メーカーの製品をお選びください。
まとめ
- CPUとはパソコンの頭脳のこと。パソコンの場合、インテルとAMDが2台メーカー
- 主なCPUシリーズの性能は、Coreシリーズ > Pentium > Celeron > Atom。同一シリーズでは番号が大きいほど後発で優秀
- できればCore i3以上のCPUを選ぼう。Pentiumクラスより廉価なモデルは、特にノートパソコンの場合に性能不足に感じる可能性あり
最近、低消費電力タイプのCore i5が載ったノートパソコンを使う機会がありました。Panasonicの製品でしたが、動作が速く、CPUファンの音も静かで、非常に使いやすい製品でした。
また、AppleのMacBookなどにもCore iシリーズは搭載されています。やはり、ある程度パフォーマンスを求めるなら、Core iシリーズを選択したほうが良さそうです。
一方、AtomやCeleronシリーズが搭載されたモデルは、全体に安価で購入しやすいのが特徴です。ネットを観るだけ(動画は見ない)程度の利用には良いと思います。
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