筆者は、BTOブランド「ツクモ」が販売するBTOパソコン「eX.computer AeroSlim」にてFXを行っています。
本機はFX用途向けと題していませんが、FXをやる分には十分な性能を持つパソコンです。
筆者の場合、FX以外にも創作用途での利用が多いため、一般的な用途で必要とされる性能より少し拡張した構成になっています。
例えば、メモリを16GB、HDDを2台積んでいますが、FX用途がメインであれば、それほどのスペックは必要ありません。
AeroSlimは、スリムケースのパソコンで、デスクトップパソコンとしては小型な分だけ拡張性も劣ります。
また電源ユニットも300Wと、ゲーム用途に特化した高性能なグラフィックカードを積むことはできません。
あくまで一般的な用途をベースに、もう少し拡張した使い方をしたい方むけのパソコンと言えます。
なお、標準構成において液晶ディスプレイ2枚を利用可能です。
3枚以上を接続する為には、ロープロファイルで省電力のグラフィックカードの増設が必要になります。
はじめに
このサイトについてのページでも簡単に触れていますが、筆者が利用しているのはBTOメーカーTSUKUMO(ツクモ)が販売する「eX.computer」シリーズです。
買った時はFXをやってなかったので、為替・株取引用途で買ったものではありませんが、いつの間にかほとんど取引用のパソコンになってしまいました。
今はディスプレイ2枚を設置した、デュアルディスプレイ環境で利用しています。
以下では、その利用状況などを簡単に紹介してみます。
ツクモについて
ツクモは秋葉原を中心に各地に拠点を置く主要BTOブランドの1つで、株式会社Project Whiteが運営しています。
パソコン玄人向けのBTOメーカーには「ドスパラ」がありますが、そのドスパラと肩を並べる著名メーカーです。
紆余曲折ありましたが、現在の運営母体は株式会社ヤマダ電機(証券コード:9831)です。
株式会社Project Whiteはそのグループ会社になります。
ツクモが販売するBTOパソコンがeX.computerシリーズです。
日常利用から、最新の3Dゲーム用途まで幅広く対応しています。
筆者のFX取引用パソコンの特徴
商品名 | eX.computer AeroSlim |
OS | Windows 7 Professional 64bit |
CPU | Core i7-3770 3.4GHz(Ivy Bridge) |
メモリ | 16GB |
HDD/SSD | 1TB×2(OS用、ファイル保存用) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
グラフィックカード | 無し |
筆者が購入したのは2012年冬です。
当時出回っていたCPUは、2016年現在と同じCore i3/i5/i7と名前がついていますが、Ivy Bridgeというアーキテクチャのもので、現行のCore i7に比べると少々パフォーマンスは劣ります。
それでも3.7GHzという高いクロック性能を持つために、日常利用で何か障害になることはありません。
メモリが16GBだったり、ハードディスクを2台積んでいたりするのは、音楽制作用途だからです。
金融取引メインのパソコンなら少々オーバースペックな性能です。
グラフィックカードは搭載していないので、いわゆるオンボードと呼ばれる最低性能の映像処理能力です。
本機のマザーボードには、2種類の映像出力がついているため、拡張無しでは最大2枚の液晶ディスプレイが利用可能です。
もちろん、NVIDIA NVS 510のような、低消費電力で多画面出力可能なグラフィックカードを増設することで、3枚以上の映像出力も可能になります。
筆者は本機を利用して、外為ジャパンで取引を行っています(外為ジャパンの要求動作環境はFXパソコンに必要な性能を考えるをご覧ください)。
たしかに細かい画面描画によってCPUはそれなりに動作をしていますが、処理が追いつかないことはありません。
別途音楽制作時のほうが、CPU稼働率も高く、CPUのコア温度も高くなりがちです。
上述のように、2012年のモデルなので、現行ではまったく同じ構成のものは入手できません。
むしろ、本機よりもうちょっと高い性能のものを入手することが出来ます。
同じ性能のパソコンを買うなら
仮に、上記筆者の構成を、現行のパーツで似せて購入することを考えてみます。
使われるパーツに変更はありますが、おおよそ同じような構成で組むことが可能です。
変更前 | 変更後 | |
商品名 | eX.computer AeroSlim | – |
OS | Windows 7 Professional 64bit | Windows 10 Professional 64bit |
CPU | Core i7-3770 3.4GHz(Ivy Bridge) | Core i7-6700 3.4GHz(Skylake) |
メモリ | 16GB | – |
HDD/SSD | 1TB×2(OS用、ファイル保存用) | – |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | – |
グラフィックカード | 無し | – |
(映像出力) | 2 | 2 |
2016年4月現在、この構成でおおよそ12万円程度で購入可能です。
上述の筆者PCに対して、主な変更点は以下の2点です(※)。
※ その他使われるメモリなども2012年当時に入手できたものと現行品でのわずかな差異があるはずでうs。
- Windows OS
- CPU
Windows OSは、これまでWindows 7やWindows 8.1を使っていた方がアップグレードを行うと、なんらかの問題を引き起こすこともあるのですが、最初からWindows 10が搭載されているパソコンなら、そのような心配は不要になります。
Windows 10は7等に比べて安全性や、速度面で優れており、これから使っていく分には問題ありません(※)。
※ 一部の方々がWindows 7や8.1のままなのは、従来からのソフトが動かないといった「しがらみ」があるためです。
FX取引は大抵ウェブブラウザを通じて行いますので、Windowsのバージョンと取引の可否には直接は影響しません。
CPUのCore i7-6700 3.4GHz(Skylake)は、Core i7-3770 3.4GHz(Ivy Bridge)よりも性能が向上しています。
GHzで示されるクロック周波数は同じですが、トータルでは後発のCore i7-6700のほうが優れます。
なお、Core i7-6700とCore i7-6700kの違いは、オーバークロック可能かどうかです。
言うまでも無く、金融取引にオーバークロックは不要です。
グラフィックカードはありませんが、液晶ディスプレイは2枚利用可能です。
その代わり、電源出力があまり強くは無いため、グラフィックカードの増設はちょっと難しいです(FXに特化したパソコンってある?で触れているNVIDIA NVS 510ぐらいは乗ると思います)。
もう少しグレードを落としてみる
正直、上記のスペックをあまり必要としない方もいらっしゃると思うので、もう少し汎用的なスペックに落としてみます。
変更前 | 変更後 | |
商品名 | eX.computer AeroSlim | – |
OS | Windows 10 Professional 64bit | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i7-3770 3.4GHz(Ivy Bridge) | Core i7-6700 3.4GHz(Skylake) |
メモリ | 16GB | 8GB |
HDD/SSD | 1TB×2(OS用、ファイル保存用) | 1TB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | – |
グラフィックカード | 無し | – |
(映像出力) | 2 | 2 |
2016年4月現在、この構成でおおよそ10万円程度で購入可能です。
厳密は9万円台と、10万円をわずかに割ります。
この構成では、
- Windows ProfessionalからHomeへ
- メモリを16GBから8GBへ
- HDDを2から1台へ
と落としました。
それでも基本的なスペックは高いため、日常的な利用にはなんら差し支えはありません。
6枚マルチディスプレイを実現するなら
eX.computer AeroSlimの標準構成では、2枚までディスプレイ設置が可能です。
筆者はDell製のモニターなど2枚を利用しており、デイトレをやりながらTwitterを眺めたりしています。
もし、さらに3枚以上のディスプレイを設置するならば、グラフィックカードの増設が必要です。
増設には以下の点に留意する必要があります。
ロープロファイル専用
本機はいわゆるスリムケースで、パソコン本体の幅が狭い機種です。
そのため、グラフィックカードはロープロファイルと呼ばれる、高さの低いものでなければ増設できません。
間違えて通常サイズのものを取り付けてしまうと、蓋がしまらなくなります。
幸い、ELSA NVIDIA NVS 510 2GB グラフィックボード ENVS510-2GERのように、ロープロファイルで4枚のディスプレイ増設を可能にするグラフィックカードも販売しています。
このように、商品を選ぶ必要がある点に注意が必要です。
電源余力が大きくない
本機の電源は300Wと、ごく一般的なデスクトップパソコンの電源能力範囲内です。
ですが、カスタマイズ前提で利用するユーザー向けの電源余力としては、少々小さいです。
ディスプレイ増設だけなら問題ありませんが、3DのPCゲームをやりたくなった場合には注意してください。
そのようなゲームを行うために必要なグラフィックカードは、100Wや200Wといった大電力を消費するものも多いため、電源余力を超えてしまい、パソコンが壊れてしまいます。
将来的な強化も視野に入れるのでしたら、eX.computer AeroSlimよりも、ミニタワーケースのAeroStreamのような機種を選択するのが良いです。
こちらのタイプは、標準で強力な500W電源を積むほか、任意にカスタマイズすることで750Wまで強化可能です。
まとめ
筆者が保有するモデルをベースに、2016年現在4月に入手可能なモデルを紹介してみました。
2012年購入のパソコンでもFXが出来るのですから、現行パーツで似たような構成にすれば、より快適に取引できるはずです。
上述のように、拡張性に欠けるのがスリムケースモデルの難点です。
将来の拡張性も確保しておきたいのであれば、ミニタワーケースのようなより大型の機種で、かつある程度の電源余力がある機種を選択するのが良いです。
余談ですが、ツクモはネット上でよく愛されているBTOブランドの一つです。
つくもたんというマスコットキャラが存在し、「アキバで見かけた萌えキャラコンテスト」というコンテストで連続1位を獲得しています。
また、ネットからBTOマシンを発注する際、ツクモでは比較的選択可能なパーツが絞られていて、あなたがパソコン初心者でも選択しやすいという特徴があります。
少なくとも、物理的に組むことが出来ない構成にはならないです。
パーツが絞られているため、パソコン上級者には少し不十分に感じるかもしれません。
が、あなたがそうなら、おそらく弊サイトはご覧になっていないでしょう。
筆者のBTOマシンは今年で4年目です。
おそらくそう遠くないうちに買い換えるでしょうが、引き続きツクモを利用し続ける予定です。
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